Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

まで送って下さったのです」

「誰だろう。僕の学校の生徒かしら」

「ええ、そうらしいのよ、一太郎さんのお友だちかもしれないわ。お母さんが出て行くと、走っていってしまったので、うしろ姿だけは見たけれど、誰だかわからないのです。妙子ちゃんも知らないって言うの。

でも、妙子ちゃんが、ここの子だっていうことを知っていたのを見ると、やはり、一太郎さんのお友だちか知れないわ。あした学校へ行ったら、さがして、お礼を言って下さい」

「そうですね。……でもね、お母さん、もしその生徒が、僕のなかよしの友だちだとすると、なかなかさがし出せないかも知れませんよ」

「なぜなの?」

一太郎君が妙なことを言ったので、お母さんは不思議そうな顔をなさいました。

「あのね、僕の組で、なかよしの友だちが六人いるんです。その六人が約束して、一日一善っていう事をやっているんです。なんでもいいから、人のためになる事を、一日に一つはかならずやるっていう約束なんです。僕も毎日やっているんです。でも、何をしたかは言えません。言っちゃいけないっていう約束なんです。

ほめられたりお礼をいわれたりするためにやるんじゃなくって、ただいい事だからやるんでしょう。