Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

けさは、六時ごろに起きて、まだ朝ごはんもたべないうちに、伯父さんにさそわれて、近所のたんぼ道を散歩しているのです。青々としたたんぼの中を、細いきれいな小川がながれています。その小川の堤のようになった細道を、伯父さんが先にたち、一太郎君はそのあとを追うようにして歩いているのです。

細道の両側には、朝露にぬれた草がおいしげっていて、それが足にさわるたびに、ひやっとつめたくて、なんともいえないすがすがしい心持です。

二人はしばらく、だまって歩いていましたが、とつぜん、伯父さんがうしろをふりむいてにこにこしながら、

「一太郎、一つ謎を出そうか」

と、おっしゃるのでした。

「ええ、出して下さい」

一太郎君は、いつも伯父さんの謎はわけなくとけるので、今日もうまくといてみせるぞと、自信たっぷりで答えました。

「いいかい。自分のからだの何百倍もあるような広い川に、一人の力で、たった一時間か二時間のうちに、長い橋をかけるものがいるんだよ。それは人間じゃない。人間にはとてもそんなことはできやしない。だが、人間にたとえれば、東京の隅田川ぐらいの大きな川に、一人っきりで橋をかけるのと同じことなんだよ。