Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
電燈のような赤い光ではありません。蛍の光に似た青白いものです。
その光で門がどこにあるかがわかりましたので、そこを通って、高橋さんのお家の庭へはいりますと、庭の地面に、五十糎ぐらいの長さの↑こんな矢印が、やっぱり青白く光っているのです。あたりがまっ暗ですから、その矢印が地面から浮きあがって、ゆらゆらと、もえているように見えるのです。
「やあ、きれいだなあ」
一太郎君は思わずつぶやきましたが、少し行くと第二の矢印、それからまた第三の矢印と、青白い光の道しるべが、次々とつづいていて、それを伝って行きますと、いつの間にかお家の横を通りすぎて、広い裏庭へ出てしまいました。
玄関からはいらないで、裏庭などへはいりこんではいけないと、ちょっとの間、その暗闇に立ちどまっていましたが、すると、庭の木立の中から、なんだか、えたいの知れぬ、青白い光るものが、ひらひらとこちらへ飛んで来るように見えるではありませんか。
一太郎君は、今度こそほんとうにびっくりしました。恐しくさえなりました。その光るものは、三十糎ほどの、横に長い三角の形で、それがのびたりちぢんだりしながら、まるで鳥のように飛んでいるのです。