Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
「うまい。じつにうまい答え方だ。さすが智恵の一太郎君だ。大人だって、それほどには答えられないかも知れん。
五十糎の筒の先のところではかれば、月ははじめから米つぶぐらいなんだ。しかし、まさかそんなに小さいとは思わないものだから、筒の直径の広い間は、五十銭玉ぐらいに見えたり、五銭玉ぐらいに見えたりするんだよ。
考えてみれば、ほんとうになんでもないことだ。しかし、この紙筒をのぞかされた時には、君はびっくりしただろう。びっくりしなくてはいけないのだ。学者や発明家などの大きな仕事も、やっぱりそういう所から出発するんだよ。まず驚くことが大切なんだ。ふつうの人は見のがしてしまうような、ちょっとしたことを、よく注意して、びっくりしなくちゃいけない。それから考えるんだ。どうしてこんなふしぎなことがおこるんだろうとよく考えるんだ。それがほんとうの学問というものだよ。
君は今夜はみごとに及第だ。しかし、月の話はまだあるんだよ。今夜のよりは、もっとふしぎな実験が、まだ残っているんだよ。明日でもいい、明後日でもいい、二三日のうちに、よく空の晴れた夕方、ちょうど日のくれる時分、五時半ごろだね、またやって来たまえ。