Japanische Klassiker mit Furigana
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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
Lesen Sie 智恵の一太郎 (ちえのいちたろう) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 67.333 Zeichen · 134 Bildschirme
学生服を着た少年が、遠ざかって行く汽車を見おくりながら、話しかけました。この少年はおなじみの一太郎君です。話しかけられたおじさんは、いつも一太郎君におもしろい理科の話をして下さる、あの農学博士の伯父さんです。一太郎君は久しぶりに田舎の伯父さんのお家をたずねて、二人で近所に出かけた途中なのです。
「うん、ずいぶん早いね。汽車にくらべると、僕たちがこうして歩いているのは、兎と亀どころじゃない、兎とカタツムリほどのちがいがあるね」
伯父さんはそう答えて、線路にそったたんぼ道を歩きだしましたが、しばらくすると、ふと何か思いついたように、一太郎君の方をふりむいて、こんなことをいうのでした。
「汽車はずいぶん早いが、その汽車よりも早いものが、まだいろいろあるね」
「ええ、あります。自動車、飛行機、ロケット、それから……」
「それから?」
「あ、そうだ。それから、大砲のたまです」
「うん、大砲のたまは、飛行機よりも早いね。それから?」
「えーと、それから……」
一太郎君は、そこで行きつまってしまいました。その外に汽車より早いものなんて、ちょっと思い出せなかったのです。
「思い出せないかい。