Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

と玄四郎が云った。

おみやが彼のほうへ振向いた。玄四郎はこちらへ背を向けて立ち、池を眺めたままで、柿崎の望みをかなえてやるほかはあるまい、と云った。

「ではわたくしに、これからも続けろと仰しゃるのですか」

「いや、その証書だけでいいと思う」と玄四郎は云った、「どんな役に立てるのかは知らないが、そういう証書なら、これを最後にと云って渡せば、柿崎どのも貴女を放すと思う」

「わたくしに盗めと仰しゃいますの」

「それが柿崎どのの手を※(「二点しんにょう+官」、第3水準1-92-56)れる、確実な手段だと思うのです」

「わたくし兄を知っています」とおみやは云った、「兄はこれでいいと云うことを知らない人間です、証書を取って渡すことは、わたくしがまだ役に立つという証拠をみせるようなもので、兄はさらにあとを続けろと申すに違いありません、それはわかりすぎるくらいわかっていることなんです」

「しかし、ためしてみてもいいでしょう」

「あなたは兄を御存じないからですわ」

「ためしてみませんか」と玄四郎は振返って、まだ窓際に立ったままで云った、「これを最後にといって、もしまだ続けろと強要するようなら、そのとき改めて手段を考えてもいいでしょう」