Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme
「それもそうとしよう、それなら去年、周防の病死したときのことはどう解釈する、妻の離別で、いちじ不和になったとしても、伜の縁組で元に返った筈だ、しかも二人は刎頸の交わりがあったのに、周防が病床につき、再起おぼつかなし、となっても、みまいにゆかず、臨終にも訪ねなかった、臨終にもだぞ」
――はあ。
「そうだ、原田は周防の父、佐月の死んだときも同様だった、茂庭佐月の死んだときも、船岡におりながら、葬儀に出なかった、おれが佐月と不仲だったので、おれに遠慮したかと思っていた、わからない、まるで水をつかむようだ」
――私には明瞭だと思われるのですが。
「どう明瞭だ」
――仮に平素が不和であろうとも、古い友が危篤という場合、みまいにゆかぬということは、人情としても不可能なことです、それを臨終と聞いてもみまわなかったとすれば、まったく心がはなれていた証拠でございましょう。
「隼人はそう信ずるか」
――こんどの場合にも、同じことが云えると思います、矢崎舎人は原田どのの家従でございました、物頭という直臣にあげられてから、三年とは経っておりますまい、その舎人が無実の罪に問われ、無実であるという証人がいるにも拘らず、黙って見ているということは、とりも直さず殿への遠慮、なにより殿の御意を重んずる、という証拠であると存じます。