Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lesen Sie 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 167.285 Zeichen · 330 Bildschirme

Aozora Bunko

「わからぬ、おそらく隼人の申すとおりであろう、おれもそう思うのだが、どうにも心底の読めぬところがある」

――涌谷さまと寺池さまとの、地境論のときも、よい例ではございますまいか。

「そうだ、あのときも原田は涌谷に付くと思われていた」

――ごく一部の人を除いては、みなそう信じておりました。

「だが彼は寺池の利分になるように証言し、そのとおりに決着した、涌谷と原田とも昔から昵懇であり、ずいぶん親しく往来していた、おれは知っているが、原田は周防とは違った意味で、涌谷に深く心服していた、ところがこれもまた、万治の大変このかたぷっつりと疎遠になっている、おれはそこに、なにかあると思った、周防と疎隔した同じ理由で、涌谷とも往来しなくなったのだと思い、いろいろ手をつくして探索した、だがなにも出て来ない、そこで寺池をそそのかして、無理な地境論をもちかけさせた、明らかに無理押しだ、もし裏になにかあるなら、原田は必ず涌谷に付く筈である、たとえ立会人ではあっても、国老の職権があるのだから理否を正すのに遠慮はない、こう思ったのだがそうではなかった、たしかに原田甲斐はおれの手の内のものだ、たしかに、……しかもなお、ちかごろになって却って、彼の本心がわからなくなり、その性根がつかめなくなった、これぞという原因はなにもない、厩橋侯の疑いに対して