Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
パパが心配して百方奔走して、日本国籍を取得しようとしましたが、わたくしたちの日本滞在日数が、二年と何カ月ではどうにもならず、毎日のように憲兵隊へ日参して、しまいにはその人が公使館武官でベルグラード在勤中、少しばかりのお世話をした縁故を辿って西部軍管区司令官の許まで、頼みにいってやっとのことでここに引っ込んで、――東水の尾の別荘に閉じ籠って、三里四方へ踏み出しさえしなければ、大眼にみておくという条件で、辛うじて国外追放だけは、免れたというのです。
「それで急に、こんな不便なところへ、越して来てしまいましたの。そうでなければわたくしたち、父と引き離されて澳門へつれて行かれなければならなかったんです。……わたくしたち女中も使っていませんでしょう? 敵性国人と見られて、監視されているんだから、辛くても謹慎して、少しでも憲兵隊の心証を害なってはいけないと、父が心配して……わたくしたち、ラジオも写真機も、持っておりませんでしょう? 憲兵がここまで家宅捜査に来て、みんな没収していってしまったんですわ……」
それならもう、戦争も済んだんですから、いつでも長崎へ帰れるじゃありませんか! といったのに対して、ジーナは切れ長な眼を潤ませながら、こういう話をしてくれました。