Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
枕許の花瓶に生けて、壁や柱の花筒に挿して、
「ここから眺めると、海が広くて、気持が晴れ晴れするでしょう?」
と縁側に佇んで、海へ眸を投げていました。その恍惚と眺めている、キリッと引き締まった横顔や恰好のいい鼻、愛らしく結んだ唇なぞを眺めているうちに……クッキリと盛り上がった胸や柔らかな腰の線に見惚れて思わず手紙を書く手をやすめてしまいました。ふと気が付いてスパセニアは、振り返ってにっこりと靨をうかべましたが、欄干にからだを凭せて、悪戯っぽそうに、聞いてくるのです。
「覚えていらっしゃる? こないだ溝渠を見にいらした時に、……わたし、ほら! 六蔵を探しにいったことがあったでしょう?」
「……そう……」と私はうなずきました。
「岸に腰かけて……木の幹に腰かけて、ジーナと随分長いこと、話してらっしゃったわね? ……何のお話、なさってらしたの?」
「何の話ってことも、ないですけれど……」
あの時、もうちょっとのことで、ジーナの手を握りかかったことを思い出して、私は赧くなりました。
「貴方は、知ってたんですか……?」
「どうしても六蔵が見つからないから、諦めて戻ろうとしたら、お話してらっしゃったでしょう? ですからわたし……お邪魔しちゃ悪いと思って、もう一遍六蔵を探しにいきましたの。