Japanische Klassiker mit Furigana
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たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
間違いもないジーナその人なのです。決して、私の見誤りではないのです。
なぜ一言の知らせもなく、東京へ来ているんだろうか? 東京へ来ていながら、知らせてくれもしないのか? もうそんなことは、考える余裕もありません。
「ジーナ」
と夢中で人波を分けて、追いかけました。
私のところから幾らも離れてはいないのです。直径にして、ほんの五、六間ぐらいのものだったでしょうか? 笑いながら道を塞いでいる四、五人連れの大学生の間を摺り抜けて、手を曳かれた子供を突き飛ばしそうにして、あっちにブツカリこっちを摺り抜けた時には、ジーナはまた五、六間向うを歩いて……。
「ジーナ、ジーナ」
と見栄も外聞もなく大声を上げて、やっと角の救世軍の煉瓦建ての前あたりを歩いているところへ追い着いた時には、どこへ曲ったのか? フッとその姿は消え失せてしまいました。どこかの家へ入り込んだのか? と、その辺の店をのぞき込んでみたり、横丁へ駈けてってみたり、また引っ返してしばらくはぼんやりと、狐につままれたように、そこに佇んでいました。ただガヤガヤと目眩しく雑踏して、白昼夢のように取り留めもない騒がしさばかりです。