Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
とも落莫ともいわん方ない、ただ無残な一面の廃墟です。
茫然として私は、突っ立っていました。やがて気が付いて、中へはいってみました。真っ黒に焼けた柱の燃え残りが、あちらこちらに不気味に突っ立って、テラスの混凝土の床だけが残っているのが、何ともいえぬ凄惨さです。
よほど火の回りでも早かったのでしょうか? ことごとく焼失して、在りし日のあの豪奢さ、瀟洒なぞというものは跡形もありません。しかも焼け跡を歩き回ってるうちに、またもや私はおや! と眼を峙てました。
焼け跡には、名も知れぬ雑草が一杯にはびこって、白、黄、紫の小さな花をむすんでいるのです。とすれば、ここが焼けたのもまた、昨日や今日のことではありません。何カ月か以前……尠くとも半年やそこいらは、過ぎているはずです。さっき来る時に見た、あの溝渠の底に雑草が茂っていたことといい、何かそこに妙な関連があるような気がします。
そうするともう彼女たちも父親も、ここには住んでいないのでしょうか? やっぱりみんな、東京にいってしまったのでしょうか? それならなぜ私に、住所を知らせてよこさないのでしょう? 人に知らせもくれないで……! が、突然五月ばかり前、スパセニアから受け取った葉書を思い出しました。