Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
たなださいばんちょうのかいし
橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme
「カマイマセン、アナタガ聞キタケレバ……よろしい! 弾キマショウ、恐ロシイ曲デス」
そして先生は再びピアノに向われました。
私たちは前にも増して、一心に耳を澄ませましたが、初めに轟々と北風を甍を吹き、森の梢を揺すっているような伴奏が聞こえてきました。その騒音に入り交じって、時々人間の呶号が響き渡ってくるのです。と、やがてどこからともなく澄み切った尺八の音が、哀韻切々と耳を打ってきました。
しかも我々の耳をそばだたしめたのは、それから五分か、十分くらいも曲が進んだ頃、またもや嵐のような喚声と叫喚の中に、柴にでも火をつけたように、パチパチと何か燃え上がるような音がしました。そしてその後でぼうと烈風のような凄まじさを伝えてきたのです。それが已むとひっそりと静まった中に、バサッ! と物の崩れ落ちるような音がして、後はただ静かな伴奏の中に梟か何かの不気味な啼き声が聞こえながら、そのまま、自然自然と曲は終りを告げてしまいました。
何ともいえぬ後味でした。しかも曲が終っても、誰も一言も口を開くものはありません。みんなじっと黙りこくっているのです。ただその中に先生だけが譜本を差し替えて、シュトラウスだったか、バタルチェウスカの乙女の祈りだったかを弾き出されました。