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Japanische Klassiker mit Furigana

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たなださいばんちょうのかいし

橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇

橘 外男

Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・心霊篇 (たなださいばんちょうのかいし) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.181 Zeichen · 219 Bildschirme

Aozora Bunko

その間に、新築間もないらしい日本家屋と白壁作りの異国風な情緒を漂わせて、洋館が聳えているのです。私は狐につままれたような気持で、突っ立っていました。藁葺き屋根の農家でも、あろうことか! この山の中に……近い村まで三里もあるという、この人っ子一人姿を見せぬ淋しい山の中に、この美しい庭や清々しい家屋とは! 東京の町の中にもこれほどの美しい住居は、滅多にありますまい。呆気に奪られて私は、眺めていました。

娘は門前で馬を降りて、出て来た農夫体の五十ぐらいのオヤジに手綱を渡すと、そのまま右手のアーチを潜って、私を導き入れました。よほどの花好きとみえて、芝生の間にも幾つかの花壇があって、紅、白、銅、レモン、黄、ありとあらゆる大輪の薔薇が、眼も醒めんばかりにあざやかな色を見せています。

このアーチを潜った奥が、初めて広々としたテラスになって、籐椅子の三、四脚が取り囲んだ向うに、五十七、八とも思われる洋服のデップリとした紳士が、怪訝そうな面持でじっとこちらに、眼を留めているのです。と、娘はいきなり高い混凝土の床に駈け上って行って、紳士の首へ手を回して、何か小声で話しています。