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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

」

次郎は、もうすっかり、いつもの彼をとりもどしていた。

「なるほど。これは痛いところを一本やられた。僕もいつの間にか現実主義者になってしまっていたわけか。ははは。ところで、君の考えが足りなかったというのは、すると、どういう点かね。」

「僕、きょう――」と、次郎は、また急に眼を伏せて、「学校のかえりに朝倉先生をおたずねしてみたんです。そして、僕たちの願いをかりに県庁が許してくれても、それで先生が辞職を思いとまられることはない、ということがはっきりしたんです。先生としては、それがあたりまえです。僕、そのことにちっとも気がついていなかったんです。」

「うむ。……なるほど。」

「僕、一所懸命で血書を書いたんですが――」

と、次郎はすこし声をふるわせながら、

「それは朝倉先生に恥をかかせるだけだったんです。それに、もしそれがあべこべにストライキの口火みたいになったりすると……」

次郎の声は、ひとりでにつまってしまった。

「うむ、君の気持はよくわかった。じゃあ、君はこれからストライキ食いとめに全力をそそぐんだね。道江さんは、ここから学校に通うことにすれば大丈夫だよ。土手を通らなくったって、ほかに道もあるし、馬田もそんなまわり道まではやって来まい。