Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
「私は田上と申す者で、五年級にお世話になっている田上一郎の祖父でございます。先程からだんだんお話を承りまして、きょうのお集まりのご趣旨は、もう十分わかりましたことですし、この上は学校と父兄とよく協力いたしまして、それぞれの立場で、出来るだけのことをいたすよりほかないと存じます。それにつきまして、私は平尾さんにちょっとお伺いしておきたいのですが、さきほどあなたのお言葉で、急先鋒になっている数名の生徒があって、それが何か思想的な背景をもって動いているというように承ったのでございますが、その数名の生徒の中に、私の孫が加わっているというようなことはありますまいか。もしご存じでしたら、ご遠慮なくそう言っていただきたいのですが。」
「それは、さっき馬田さんにも申しました通り……」
「なるほど、ご令息が名前を秘密になさるということも、一応うなずけないことはありません。しかし、私の孫もご令息と同様、校友会の総務とかに選ばれていますし、自然、何かのことがお耳にはいっているのではないかと存じますが……」
「いや、いっこう。」
「はっきり言うのが気の毒だとか、或は、万一ちがっていたらあとが面倒だ、とかいうようなことで、仰しゃっていただかないのではありますまいね。