Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
「どうかなすったの?」
「返事をしないのに、かってにあがって来るやつがあるか。」
次郎はおこったように言った。が、すぐ、道江の眼を見ながら、
「何か用?」
「ええ、こないだ貸していただいた詩集に、意味のわからないのがたくさんあったの。」
道江はそう言って、手提から一冊の小型な美しい本をとり出した。
次郎は、しかし、もうその時にはそとを見ていた。そして、しばらく遠くに眼をすえていたが、
「僕、きょうはそれどころではないんだよ。」
と、急に熱のこもった調子になり、
「大変なんだから、僕たちの学校が。」
「大変って? ……何かあったの?」
と、道江も本を握ったまま、眼を光らした。
「朝倉先生が学校をやめられるんだよ。」
「朝倉先生? あのいつもおっしゃる白鳥会の先生でしょう。」
「そうだよ。」
「どうしておやめになるの?」
「それが僕たちにはわけがわからないんだ。」
次郎は、きょう学校で、生徒たちの間に噂されていたことのあらましを話した。それによると、つい一週間ほどまえ、朝倉先生は校長といっしょに県庁に呼び出され、知事から直接の取調べをうけたが、すぐその場で辞職を勧告された。