Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
しかし、僕たちは、僕たち自身の血でそれを貫くんだ。」
馬田ばかりでなく、みんなが眼を見はった。次郎は、しかし、わりあい冷静に、
「僕はいろいろ考えてみたんだが、日本では昔から、何か真剣な願いごとがあると、よく血書とか血判とかいうことをやって来たね。君らはどう思うか知らんが、僕は今の場合、僕たちの真心をあらわすには、あれよりほかにないと思うんだ。」
みんな顔を見あわせてだまっている。馬田だけがひやかすように言った。
「奇抜だね。しかし、すこぶる野蛮だよ。」
「むろん形式は文明的ではない。僕にもそれはわかっている。しかしストライキほど野蛮ではないんだ。」
次郎も少し皮肉な調子だった。
「すると程度問題ということになるね。さっき君は、ストライキは朝倉先生を侮辱すると言って心配していたが、血書や血判は侮辱しないのかい。」
次郎はちょっと考えた。が、すぐ決然とした態度で、
「形は野蛮でも、それは朝倉先生に対する僕たちの真情をあらわす方法として、ちっともその限度をこえていないんだ。秩序をみだして相手を脅迫するストライキとは、根本的に性質がちがっているよ。だから、朝倉先生を侮辱することにはならないさ。