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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

「とにかく私にまかしておくさ。間もなくお父さんも見えるだろう。」

「今日、父が来るんですか。」

「来ていただくようにお約束がしてあるんだ。」

ちょうど廊下に足音がきこえたが、それは奥さんが帰って来たのだった。次郎を見ると、

「あら、いらっしゃい。おひとり? お父さんはどうなすって? ごいっしょではありませんでしたの?」

「僕、学校のかえりなんです。」

「あら、そう。」

と、奥さんは朝倉先生の方を向いて、

「ごあいさつまわり、すっかり済まして参りましたの。やっぱりおひるぬきになりましたわ。」

「そうか。それはよかった。しかし、おかげで私もおひるぬきさ。」

「あら、お支度はあちらにして置きましたのに。」

「わかっていたよ。しかし、あまり腹もへらなかったのでね。」

「じゃあ、果物でも。……今、帰りに買って来たのがありますから。」

と、奥さんは次郎の方にちょっと眼をやりながら、

「あのう、本田さんのお宅だけは、あすにのばしましたの。今日お父さんにいらしっていただくのに、行きちがいになってもつまりませんので……」

「いいとも。私もどうせおうかがいしなけりゃならないし、都合では誰かに留守居を頼んで、いっしょに行くことにしよう。