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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、しかし昨日とちがって、朝倉先生の問題にはあまりふれず、大沢と恭一との高等学校生活が話題の中心になった。俊亮も、ビールのせいか、口がいつもより滑らかだった。彼はわかいころの政治運動の失敗談などをもち出して、みんなを笑わせた。

朝倉先生は、酒量はさほど弱い方ではなかったが、それでも俊亮の相手ではなく、四五杯かたむけたあとは、コップにはいつもビールが半分ほど残っていた。

「あまりお強い方ではありませんね。」

俊亮はそう言って、無理にはすすめなかった。そして時には朝倉夫人にお酌をしてもらったりして、ひとりでぐいぐいコップを干した。

「奥さん、ご迷惑でしょうがもうしばらくご辛抱下さい。きょうは月見がてら、ご飯はみんなでごいっしょにいただきたいと言っていますから。」

彼は注いでもらいながら、そんなことを言った。

ビールが四五本もからになったが、日はまだあかるかった。俊亮は思い出したように次郎を見て、

「どうだい、もうそろそろ二階に移動してもいい頃じゃないかね。先生もあまりおのみにならんし、おまえたちもひもじいだろう。」

「ええ、ちょっと見て来ます。」

次郎は変に眼で笑って座を立った。