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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme

Aozora Bunko

」

先生の眼と次郎の眼が、また期せずして出っくわした。次郎の眼は、そのまま釘づけにされたように、先生の顔をはなれなかった。先生は、かるくその視線をはずして二三度またたきした。そしてちょっと何か考えていたが、

「しかし、良心の自由を守るということは、決してなまやさしいことではないのだ。ことに君らのような純真な青年が、どこもかしこも麻酔薬をふりまかれているようなこれからの時代に、それを守ることは、容易ではない。いったい、良心がその自由を失うというのには二つの場合がある。その一つは、権力におもねったり、大衆にこびたり利害にまどわされたりして、心の底では悪いと知りつつ良心にそむく行動をする場合であり、もう一つは、知性を曇らされ、判断力をにぶらされて、自分ではべつに悪いことをしているつもりでなく、むしろ良心的なつもりで、とんでもない間違った行動をする場合だ。諸君は第一の場合のような意味で良心の自由を失うことはよもやあるまいと思う。それは信じてもいいと私は思っている。しかし安心出来ないのは第二の場合だ。国家のためだ、などと誰かが声を大きくしてどなると、諸君のような純真な青年は無反省にすぐそれに共鳴したがる。