Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
「いや、それほど仰しゃるなら、とにかく一応配属将校にご希望をお伝えしてみましょう。しかし、お会い願えるとしても、それはあくまでも学校の一職員としてではありませんから、その点十分おふくみ願って置きます。」
そう言って校長室を出て行ったが、間もなく、曾根少佐といっしょに何か高笑いしながらもどって来た。
曾根少佐は室にはいるとすぐ、
「やあ、本田次郎君のお父さんですか。」
と、いかにもわだかまりがないといった調子で、俊亮に言葉をかけた。そして、俊亮が立ちあがって挨拶をかえしているうちに、もうどさりと椅子に膝をおろし、
「いや、今度は次郎君はまことにお気の毒な事になりました。しかし見どころのある青年ですから、心機一転すると却っていい結果になるかも知れません。」
俊亮は、しばらくの間、まじまじと少佐の顔を見まもっていたが、
「そうでしょうか。あなたも見どころがあるとお感じでしょうか。」
少佐は、「あなたも」と言われたのに、ちょっと変な気がしたらしく、眼をぎろりとさせたが、
「ええ、たしかに見どころはありますね。あれでもう少し思慮が深いと、こんなことにもならなかったろうし、私としては、むしろ校風刷新のために、片腕になって仂いてもらいたいとさえ思っていたぐらいなんですがね。