Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 178.724 Zeichen · 355 Bildschirme
しかし、何しろこれは県の方針できまったことなんだから、おたがいにあきらめるより仕方がないではないか。」
それから田上と校長との間に、二三押問答があったが、校長は同じことをくりかえしてはため息をつくだけで、一向らちがあかない。四人のうちでも比較的気短かで、ぶっきらぼうの新賀は、たまりかねたように言った。「では、その願書はお返し下さい。僕たちで直接知事さんに差出しますから。」すると、校長は、いきなり血書をわしづかみにして、大あわてでそれを、かくしにつっこんだ。そしてもう一度椅子から立ち上り、右手を顔のまえに立て、まるでばね仕掛のようにそれを左右にふった。何か言おうとしているらしかったが、四人の耳にはただ「うん、うん」ときこえるだけだった。梅本の言うところでは、校長の鼻がもっと烈しく上の方に移動したように見えたのは、その時だったそうである。新賀はすっかりおこり出してしまった。彼はそれまでみんなのうしろの方に立っていたが、いきなり田上をつきのけるようにして校長の机のまえに寄って行き、乱暴に手をさし出しながら言った。「その願書はわれわれの血でそめたものです。