Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
むろんそれが決定的にかれの行動を左右するまでには、まだ数多くの試練を経なければならなかったであろう。しかし、少なくともかれの頭だけでは、そうした意志に生きることの必要が、かなりはっきりと理解されていたようであった。――真の勝利は、相手を憎み、がむしゃらに相手に組みつくだけでは、決して得られるものではない。自分みずからを充実させることのみが、それを決定的にするのだ。友愛塾の精神を勝利に導く手段もまたそこにある。そして、友愛塾の内容を充実させるために、自分にとって必要なことは、友愛塾の助手としての自分の道を、ただまっしぐらにつき進みつつ、人間としての自分を充実させることであって、いたずらに荒田老や平木中佐の言動を気にし、かれらに対して感情的に戦いをいどむことではない――かれの頭は次第にそんな考えに支配されはじめていたのであった。
かれが答えをしぶっていると、田沼先生は、その張りきった豊かな頬をほころばせて言った。
「軍人にあのぐらいどなられると、ちょっとこわくなるね。大河は別として、塾生たちには、すいぶん強くひびいただろう。」
「ええ――」
と、次郎はあいまいに答えたが、すぐ、