Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
ぼく、やってもいいよ。」
「何と報告するんだい。」
「相談の必要なし、ということに相談できめた。そういえばいいだろう。」
どっと笑い声がおこった。すると、しゃがれた声が、おこったように、
「ぼく、ふざけていってるんじゃないんだ。じっさいそうだから、そういうよりほかないじゃないか。もしそれでいけなかったら、ぼくいつでも退塾するよ。わざわざ旅費を使って出て来たのが、ばかばかしいけれど、しかたがない。」
室内が急にしいんとなった。
次郎は、これまでの例で、この日の室ごとの相談会に大した期待はかけていなかった。また、軽い気持ちでなら、かれらの間にそうした言葉のやりとりぐらいはあるだろう、とも想像していた。しかし、しゃがれた声の調子はあまりにもいきりたっていたし、それを今朝の式場での平木中佐の言葉と結びつけて考えないわけには行かなかった。
かれは変な胸さわぎを覚えながら、息をころしていた。
「じゃあ、君にまかせるかな。」
だれかが不安そうにいった。
「ほかの室では、どうなんだろう。」
べつの声で、これもいかにも不安そうである。
「ぼく、様子を見て来るよ。」
だれかが立ちあがる気配だった。