Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

世の常の心では、ああはつけるものではない。わしの耳には、そのまま仏界の妙音ともきこえたのじゃ。鐘をつくなら、あのようにつきたいものじゃのう。何も遠慮することはない。みんなの心得にもなることじゃ。かくさず、そなたの気持ちをきかせてはくれまいか。」

「おそれ入ります。では申しあげますが、実は国もとにおりましたころ、いつも師匠に、鐘をつくなら、鐘を仏と心得て、それにふさわしい心のつつしみを忘れてはならぬ、と言い聞かされておりましたので、今朝もそれを思い出し、ひとつきごとに、礼拝をしながらついたまででございます。」

奕堂和尚は聞きおわって、いかにもうれしそうにうなずいた。そして、まだどこかに漂っていそうな鐘の音を追い求めるように、ふたたびしずかに眼をとじた。

この妙音をつきだした小僧こそは、実に、後年の森田悟由禅師だったそうである。

*

朝倉先生は、この話を語りおわると、しばらく沈黙した。

塾生たちは、かるくとじたまぶたをとおして、窓のすりガラスに刻々に明るくなって行く朝の光を感じながら、つぎの言葉を待った。軒端には、雀がちゅんちゅんと、間をおいて鳴きかわしている。