Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
それは、愛情で打たれた板木の音では寝床をはなれようとしなかった君らが、怒りで打たれた板木の音では、わけなくはね起きたということだ。その点で、君らは精神的にはまだ奴隷の域を一歩も脱していないということを証明している。いや、それどころか、君らはよりいっそうみじめな奴隷になることを希望しているとさえ私には思える。これはほんとうになさけないことだ。私は、むろん、こう言ったからといって、怒りに対しては怒りをもって立ち向かえ、と君らにすすめているのではない。ただ私は、愛情に対しては、つけあがり、怒りに対しては、ただちに膝を屈するような君らの奴隷根性が、なさけなくて、じっとしてはいられない気持ちがするのだ――」
次郎は、先生の言葉がますます激しくなっていくのにおどろいた。先生は、あるいは、昨日の入塾式における平木中佐の影響から、できるだけ早く塾生たちを救い出そうとしていられるのかもしれない。しかし、それにしても入塾したばかりの青年たちに話す言葉としては、あまりにも激しすぎる。これではかえって逆効果を生むのではあるまいか。
しかし、かれにとっていっそう不安に感じられたのは、今朝の板木の打ちかたについて、大河無門がぬれぎぬを着せられていることであった。