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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

顔をすこし伏せ、その眉の間には深いしわさえ見えるのである。次郎は、先生が気分でも悪くなったのではないか、と思った。

先生は、しかし、まもなく顔をまっすぐにした。そして、これまでの激しい調子とはうって代わった、沈んだ調子で言葉をつづけた。

「だが、考えてみると、なさけないのは決して君らだけではない。こんなことを言っている私自身が、今朝は、君らに対して重大な過失を犯してしまったようだ。私は、さっき君らを非難して、平気で自分の良心を眠らせている人間だと言った。また、君らの奴隷根性がなさけないとさえ言った。こういう言葉は人間に対する最大の侮辱の言葉で、心に愛情をもつものの容易に口にすべきことではない。少くとも同じ屋根の下で、一つ釜の飯をたべながら、これから共同生活をやっていこうとする人たちの間では、決してとりかわされてはならない言葉なのだ。しかるに、私は、つい、自分の感情にかられて、そんな言葉をつかってしまった。それは、私に忍耐心が欠けていたからだ。いや、君らに対する愛情が、まだ十分でなかったからだ。私は、板木当番の乱暴な打ちかたを非難しながら、自分自身で、それとちっともちがわない過失を犯してしまった。