Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
少なくとも、うそを本気でやるよりはいいことでしょう。」
「かといって、正直だとほめてやるほどのこともなさそうですね。」
二人は声をたてて笑った。次郎は、しかし、笑いながら、道江のことでなやんでいる自分が何かあわれなもののように感じられて、いやにさびしかった。
かれはふと、思い出したように、
「何か用事じゃなかったんですか。」
「ええ、今日はみんなが帰るまでに、風呂をわかしておきたいと思ったもんですから。」
「風呂? 今日は、やすむことになっていたんじゃありませんか。」
最初の日曜に、風呂当番だけが外出できなくなっては気の毒だというので、みんなの相談でそうきめていたのである。
「ええ、しかし、わかしておいてもいいんでしょう?」
「そりゃあ、むろん、いいどころじゃありませんよ。わかしてくれる人がありさえすれば……」
「じゃあ、ぼく、やっぱりわかしておいてやりましょう。……わくのに何時間ぐらいかかりますかね。ぼく、まだ、ここの風呂のぐあいがわかっていないんですが。」
「時間はまだゆっくりでいいんでしょう。しかし、いったい、どういうわけなんです。風呂なんか……」
「べつにわけなんかありません。