Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

――

考えてみると、道江の問題について、これまで自分のとって来た態度のすべては、要するにお体裁であり、偽善であり、下劣な自尊心の満足であり、劣等感をごまかすための虚勢でしかなかったのだ。何というなさけない自分だろう。

かれの反省の最後は、いつも、そうしたところに落ちて行くのだった。そして、それから先には一歩も進むことができず、相変わらず恭一から手紙が来ないのが気になり、またそれを反省しては、ますますみじめな気持ちになるばかりだったのである。

とりわけ、かれが自分をなさけなく思い、ほとんど絶望的な気持ちにさえなったのは、ふと恭一に対してつぎのような疑いを抱いたときであった。――兄は、兄自身のためにぼくの気持ちをさぐってみたにすぎないのだ。ぼくの返事を見て、今ごろはおそらくほくそ笑んでいることだろう。――

もっとも、この疑いはほんの一瞬だった。かれはいそいでそれを打ち消したし、疑いそのものが、あとまでながくかれを苦しめたわけではなかった。しかし、かれは、そうしたいやしい疑いがかりそめにもしのびこんで来る余地のある自分の心が、あまりにもなさけなかった。