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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

やはり、朝倉先生がいつもいわれるように、大事なのは平常心だよ。それをなくしちゃあ、何を話しあってみても、いい結論が生まれるわけがない。」

そのとき、事務室から、けたたましい電話のベルの音がきこえて来た。次郎は、はじかれたように座を立って行ったが、すぐもどって来て、かなり興奮した調子で、田沼先生に言った。

「荒田さんからです。急に先生にお目にかかりたいんですって、ご自分でこちらに来てもいいといわれますが、どうご返事しましょう。」

「そうか。」

と、田沼先生はちょっと首をかしげたが、

「私、電話に出てみよう。」

田沼先生が広間を出て行くと、みんなは申しあわせたように黙りこんで耳をすました。先生の電話の声がはっきりきこえるわけではむろんなかったが、そうしないではいられない気持ちだったのである。

間もなく田沼先生は広間の入り口までもどって来て、

「じゃあ、私、いそぎますから、これで失礼します。」

朝倉先生が立とうとすると、

「私にかまわず読書会を始めてください。予定を狂わしてすみませんでした。」

それから、塾生たちみんなに軽く会釈したあと、急いで。玄関のほうに去った。