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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「ふうむ。そんなことで友愛塾を押しつぶそうなんて、小関君もなかなかの自信家だな。すると、今度もその手で来るかもしれませんね。」

「そういうことも考えられますが、まさか理事長がそれをご承諾なさるようなことはありますまい。」

「ええ、それはだいじょうぶ。しかし今度は理事長もお骨が折れますね。何しろあの荒田老人が正面きって口をききだしたんですから。」

それまでだまって二人の話をきいていた朝倉夫人が、涙声になって言った。

「ほんとうに、田沼先生のお気持ちはどんなでございましょう。先生は、どういう方に対しても、けんか別れなんか決してなさらない方ですし、そして守るところはちゃんとお守りになる方だけに、なみたいていのご苦心ではなかろうと思いますわ。」

次郎は、むろん、田沼先生の強い面もあたたかい面も、もう知りすぎるほど知っていた。しかし、先生が大きな難局に当面して、その二つの面を、実際にどう調和して行くかを、まのあたりに見たことがなかった。かれは、眼をふせて、三人の対話の様子を想像した。荒田老の怪物のような顔とならんで、まだ一度も見たことのない小関という人の顔がうかんで来たが、それは血色のわるい、頬のこけた胃病患者のような顔で、眼だけがいやに光っていた。