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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「尊いかもしれんが、そのために、あんなにふさぐようでは、感心ばかりもしておれんね。」

「何とか慰めてあげたほうがいいじゃありません?」

「うむ。そうも考えるが、ほっておくのもわるくはないだろう。いざとなったら、ふさいでばかりもおれないだろうし、自分で何とか始末するよ。」

「あたし、それじゃあ何だか残酷なような気がしますけれど。」

「そうかね。しかし、そんな残酷さは、友愛塾では毎日のことじゃないかね。」

「そうおっしゃられると、そうですけれど。」

二人の話は、いつもそんなふうで終わりになるのだった。二人とも、次郎のふさぎの虫の原因の大半が道江の問題にあるということには、まるで気がついていなかったし、まして、それが塾の運命についての不安感とからみあって、かれの人間としての自信をゆすぶり、さらにそれが大河無門という人物の存在によって拍車をかけられているという複雑な事情など、とうてい思いも及ばなかったことなのである。

道江の問題といえば、次郎は、その後、そのことについていっそうきびしい試練にあわなければならなかった。しかも、その試練は東京の事変が塾内の空気を不安の絶頂にかりたてていた二月二十八日の夕方にはじまったのである。