Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 200.443 Zeichen · 398 Bildschirme
「僕は、本田という者です。今日の進行係をつとめさしていただきます。実はいちおう皆さんを舎内にお迎えした上で予定のプログラムを進めるのが礼儀だと思いますが、幸いに天気もよいし、それにこれからの進行の都合もありますので、双方の最初のごあいさつの交換だけは、この青天井の下でお願いしたいと思います。では、まず友愛塾生代表の歓迎の辞……」
すると、大河無門がのそのそと進み出て、歓迎の辞をのべた。それはきわめて簡単だった。わざわざ訪ねて来てもらったお礼と、うちくつろいで歓談してもらいたいという希望とをのべたにすぎなかった。それに要した時間も、おそらく一分以上には出なかったであろう。
つぎは先方のあいさつだった。隊の指揮をしていた青年が、そのまま先方の代表として進み出た。かれはまず大河をはじめこちらの塾生たちに厳粛な挙手注目の礼をおくったあと、精一ぱいの声をはりあげて、
「不肖黒田勇は興国塾生一同を代表して、友愛塾の諸兄に初対面のごあいさつを申し述べる光栄を有します。」
と叫んだ。それから、およそ五六分間は、十分に暗誦して来たらしい文句をつらねて、熱烈に世界の大勢を説き、日本の生命線を論じた。