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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

たかが子供の喧嘩じゃないかね。仕事なしだとは言いながら、大の男が、子供の喧嘩を買って出るなんて、そんな話がどこの世界にあるもんか。」

「お浜、おめえ、自分の子が可愛いくはねえのか、こんな目にあわされても。」

「何言ってるんだよ。ばかばかしい。可愛いけりゃこそ、こうやって私の手一つで、育てているんじゃないかね。お前さんこそ、子供が可愛いくないんだろう。毎日毎日ぶらぶらして、びた一文こさえて来るではなしさ。」

勘作はそっぽを向いて、默ってしまった。

それまで、気のぬけた泣き声を出しながら、二人の言いあいに聞き耳を立てていた次郎は、どうやらお浜の方が優勢らしいのを知って、ほっとした。そして、もう一度お浜の同情を求めるために、大きな声を立てた。するとお鶴の方でも、それに負けないでわめき立てた。

「いつまでも泣くんじゃない。」

お浜は、お鶴をかろくたしなめてから、次郎の突っ伏しているそばにやって来た。

「次郎ちゃん。勘忍なさいね。」

お浜は、他の人に向かっては、次郎のことを「坊ちゃん」と呼ぶのだが、次郎本人に対しては、いつも、「次郎ちゃん」と呼ぶことにしているのである。