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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は、真智子もこの一隊の後尾に加わっているのを知って、たまらなく愉快だった。恭一と喧嘩をしてみようなどという気は、その時には、彼の心のどの隅にも残っていなかった。

恭一は、もう彼の相手ではないような気がしていたのである。

*

その晩は、真智子の母が訪ねて来て、みんなと晩くまで話しこんだ。真智子も無論一緒について来ていた。話は今日の出来事で持ちきりだった。真智子の母は、何度も次郎の頭をなでては、彼の勇気をほめそやした。次郎はぼうっとなってしまった。

お糸婆さんは、

「お体は小さいけれど、胆っ玉の大きいところは、お父さんにそっくりです。」と言った。

次郎は体の小さいことなんか言わなくてもすむことだと思った。しかし、いつものようには腹が立たなかった。お民は、

「この子の乱暴にも困りますわ。」と言った。

しかし、喜太郎の膝に噛りついた時とは、母の様子がまるでちがっていることは、次郎にもよくわかった。

ただ彼が物足りなく思ったのは、一座の中に父がいなかったことと、真智子が相変らず恭一にばかり親しんでいることであった。

一七 そろばん

「人間というものはね、嘘をつくのが一番いけないことです。