Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
と、彼女は、ワシントンが少年時代に過って大切な木を切り倒したという物語を、出来るだけ感激的な言葉を使って、話し出した。それは恭一と次郎にとっては、もう決して新しい物語ではなかった。次郎は、話っぷりは学校の先生の方がうまいな、と思って聴いていた。
「大きくなって偉くなる人は、みんな子供の時、この通りに正直だよ。解ったかい。」
話はそれで終った。次郎は、先生もそんなことを言ったが、たったそれっぱかしじゃなかったと思った。が、同時に、彼の頭に、ふと妙な考えが閃めいた。
(自分でやったことをやったと言うのは、当りまえのことじゃないか。その当りまえのことがそんなに偉いなら、やらないことをやったと言ったら、どうだろう。それこそもっと偉いことになりはしないかしら。)
次郎の心では、算盤を壊したのは、恭一か俊三かに違いないと睨んでいた。その罪を自分で被るのはばかばかしいことではある。しかし彼の胸には、こないだの橋の上での事件以来、一種の功名心が芽を出している。それに、このごろ、妙に恭一が哀れっぽく見えて、彼のためなら、罪を被てやってもいいような気もする。
(もし俊三だったら――)