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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

「おや、ご飯も、もうよしたのかい。」

「今日は、あんまり食べたくないよ。」

「お腹でも悪いのかい。」

「…………」

次郎はちょっと返事に窮する。

「また、何かお気に障ったんだね。」

「そんなことないよ。」

しかし、そっぽを向いた彼の顔付が、あきらかに彼の言葉を裏切っている。同時に、ちゃぶ台のまわりの沢山の眼が、皮肉に彼の横顔をのぞきこむ。

こうなると、彼は決然として室を出て行くより、仕方がないのである。

「おや、おや。」

と、うしろでは嘲るような声。つづいて、

「まあ、どこまでねじけたというんだろうね。」

と、変な溜息まじりの声。

「放っときよ。ねじけるだけ、ねじけさしておくより仕方がないさ。」

と、いかにも毒々しい声がきこえる。

先ず、こういった調子である。

また、兄弟三人が、珍しく仲よく遊んでいるのに、お祖母さんは、わざわざ恭一と俊三の二人だけを離室に呼んで、いろんな食物を与えたりすることもある。

そんな時の次郎は、実際みじめだった。彼は、しかし、食べ物を欲しがっていると祖母に思われたくなかった。また、一人だけのけ者にされているのを気にしている、と思われるのも癪だった。