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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

正木の家でなら、もっと明るい、ゆとりのある便所がいくつもあったし、それに小用ぐらいなら、自由に野天で放つことも出来たのである。

このような陰気な家の中で、顔を合わせる本田のお祖母さんが、次郎にとって、いよいよ不愉快な存在になって来たことは、言うまでもない。家が手狭なだけにお祖母さんの言うこと、することが、始終彼の頭を刺戟した。一緒に食卓につくと、どんな好きなものでも、気持よく腹に納まらないような気がするのだった。

母の方は、しかし、訪ねるたびに、次第にやさしくなっていくように感じられた。気のせいかうす暗い部屋の中で見る母の顔に、何かしら、しっとりしたものが流れていて、それがそろそろと彼の心にせまって来るのだった。彼女は、時として、絵本や、美しい箱入の学用品などを買って、町はずれまで、彼の帰りを見送ってくれることがあったが、そんな時には、彼は、お浜に逢っているような感じにさえなるのだった。

恭一や俊三に対する彼の気持は、別れる前から、いくらかずつよくなって来てはいたが、この頃、たまに逢うせいか、二人共、自然次郎本位に遊んでくれるので、そのたびごとに、親しみをまして来た。