Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
実際彼には、言訳をするだけの心のゆとりがなかった。また言訳をしようとしても、証拠があまりに歴然としていて、全くその余地が残されていなかった。そんな場合に、彼が自分の過失からうけた災害が、みんなの同情をひくほど大きかったということは、彼にとって何という仕合わせなことであったろう。
彼はみんなにいたわられ、慰められながら、母屋の方に運ばれた。そして取りあえず卵の白身を顔一ぱいに塗られ、その上に紙を張られた。その時になって彼自身も気がついたことだが、手頸から親指にかけても、かなり大きく皮膚がただれていた。そこにも卵の白身が塗られた。
それから一時間あまりもたって、竜一の父が来た。そして今度は変な匂いのする黄いろいものをべたべたと塗りつけ、眼と口だけを残して、ほとんど頭全部に繃帯をかけた。彼は繃帯をかけながら言った。
「ほんの上皮だけだから大したことはない。しかし、笑ったり泣いたりして、顔をゆがめちゃいかん。」
そのくせ、彼自身はそう言いながら笑っていた。
次郎は、寝ているには及ばない、と言われた。しかし起きれば母の部屋に顔を出さないわけにはいかない。それは気づまりで、彼はもう大して痛みを感じなくなってからも、じっと寝ていた。