Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
本田のお祖母さんが来たのは、午少し前だったが、三時ごろまで病室に坐りこんで、正木のお祖母さんを相手に、病人を預けておく言訳やら感謝やらを、くどくどと述べたてた。むろんその間には、次郎のこともしばしば話の種になった。そして、彼女はとりわけ調子を強めてこんなことを言った。
「お民さんにせよ、次郎にせよ、遠く離れていますとよけいに気にかかるものでございまして、わたくし、このごろ毎晩のように二人の夢を見るのでございます。」
次郎たちは、次の間からそれを聞いていた。
しかし、三時をうつと、彼女は急にそわそわし出した。そしていかにも言いにくそうに、
「わたくし、一晩ぐらいは看病もいたさなければなりませんが、今日は俊亮もちょっと遠方に出ていますし、店の方が小僧任せにしてありますので、日が暮れないうちにお暇いたしたいと存じます。まことに勝手でございますが……」
お民も、正木のお祖母さんも、ほっとしたらしかった。しかし、本田のお祖母さんはすぐには立ち上らなかった。そして、次の間にいた子供たちの方に眼をやりながら、言った。
「ああして大勢ご厄介になっているのも、かえって病人の邪魔になるばかりでございましょうから、一先ず、わたくし、つれて帰りたいと存じます。