Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
次郎は何が一番好きかな。明日は父さんは次郎の好きな通りにするんだから、何でも言ってごらん。」
みんなの視線が一斉に次郎の顔に集まった。次郎はこの家に来てから、何かにつけ、みんなに見つめられるのが、何よりも嫌だったが、この時ばかりは、全く別の感じがした。彼は父に答えるまえに、先ず母と兄弟たちの顔を見まわした。そしてのびのびと育った子供ででもあるかのような自由さをもって、いかにも歎息するらしく言った。
「僕、まだ本当には泳げないんだがなあ。」
すると、恭一が、
「大川には、浅いところもあるんだよ。僕たち、いつもそこで蜆をとるんだい。」
「ほんとだい。」と、俊三が膝を乗り出した。
「泳げなきゃ、父さんが泳がしてあげる。なあに、じきに覚えるよ。」
と、俊亮がそれにつけ足した。
お民はまだ默っていた。次郎はいくぶんそれが気がかりだったが、
「そんなら僕行くよ」と、さっきからの自由さを失わないで答えた。
そして、自分の一言で、明日の計画にきまりがついた時に、彼はしばらくぶりで、お浜の家にいた頃のような気分を味わった。
間もなく俊亮は盃を伏せて、軽くお茶漬をかきこんだ。