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Japanische Klassiker mit Furigana

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme

Aozora Bunko

……恭ちゃんはね、そりゃ学校では泣虫なのよ。あんな泣虫、乳母やは大きらい。次郎ちゃんはきっと泣かないでしょうね。だって、学校では乳母やがついてて上げるんですもの。」

お浜の膝の上でぐずついた次郎の尻が、それでやっと落ちついた。

二人は、それからも永いこと炉の前を動かなかった。蒸桶から吹き出す湯気は、濃い蝋のにおいを溶かしこんで、真赤にほてった二人の顔を、おりおり包んだ。

二人は身も心もあたたかだった。

ひる飯には、正木のお祖母さんが気をきかして、お浜を子供たちと一緒のちゃぶ台に坐らせた。お浜はみんなのお給仕をしながら、たえず次郎に気を配って、彼のこぼした御飯粒を拾ってやっては、それを自分の口に入れた。

お副食は干鱈と昆布の煮〆だったが、お浜はそれには箸をつけないで沢庵ばかりかじっていた。そして、次郎の皿が大方空になったころ、そっと自分の皿を、次郎の前に押しやった。

「ううん、それは、乳母やのだい。」

次郎はそう言って、皿を押し返した。お浜は顔を赧らめて、あたりを見まわしたが、誰もそれに気づいた様子がなかったので、ほっとした。そして今度は急いで自分の皿から、お副食を半分ほど次郎のに分けてやった。