Japanische Klassiker mit Furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lesen Sie 次郎物語 (じろうものがたり) von 下村 湖人 (しもむらこじん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 159.223 Zeichen · 320 Bildschirme
と「良心の命令」との間に苦悶した。――一分、二分。――だが、幸いにして、解決は早くついた。
(何だ、つまらない。直吉はもうとっくにかえったはずじゃないか。)
そう気がつくと、彼は急にはね起きて、襖をがらりと開けた。
ぬりつぶしたような闇だ。
彼は両手を前に伸ばして、縁側だと思う方向に、そろそろと歩きだした。寒い。そして下腹部の要求はいよいよきびしい。
と、何に躓いたか、彼の体は急に前にのめって、闇を泳いだ。同時に彼は、物の破壊するすさまじい音を彼の耳許で聞いた。そして、茨の中にでも突き倒されたような痛みを覚えて、思わず悲鳴をあげた。
間もなく燈火が射して来た。大勢の人声と足音とが、その光の中に渦を巻いた。
「あっ、次郎だ!」
「まあ、坊ちゃん!」
「これはいけない、早く、早く!」
「無理しちゃいかん、そっと抱えるんだ!」
「まあ!」
「まあ!」
次郎は障子の骨を二三本ぶち抜いて、頭と両手をその向側に突き出していたのである。
「眼玉を突いてはいないでしょうか。」
「大丈夫、顔の方は大したこともなさそうだ。手首の方にちょっと大きな傷があるんだが。」
「でも、硝子のところでなくてよかったわ。