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Japanische Klassiker mit Furigana

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しけんといきなわ

死剣と生縄

江見 水蔭

Lesen Sie 死剣と生縄 (しけんといきなわ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.104 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

斎藤弥九郎、千葉周作、桃井春蔵、それ等の剣道師範に比べて、敢て腕前は劣らぬのだ。けれど他が何千という弟子を取り、幕府或は諸侯から後援せられているに関らず、秋岡陣風斎は浪宅に貧窮の生活をつづけていて、弟子と云っては実に自分一人だ。其処が併し偉い点だ。わざと然うした運命に身を潜めたのかも知れないのだが、何んにしても其恩には、充分報じなければ成らないのだ。

途中でお鉄の為に抑留されて、神前霊剣の修業を中止していた罪。それは何処までも詫びて掛ろう。然うして砲術稽古の為外国行きの事をも相談しよう。だが、夢見の通り重態で有っては成らぬと、何につけても道を急ぐので有った。

布川から布佐へ、それから中峠から我孫子へ出て行く竜次郎の見込みで有ったので、市崎から、椎塚下、畑や田の間の抜路々々と急いだので有った。もう文間台の立木の森が、近くに見える頃、気が着くと、自分の後から、一人の娘が附いて来るので有った。

それは決して普通の農家の娘とは見えなかった。髪は文金高島田に結って間もなく、一筋の乱れ毛も無いので有った。

お白粉から口紅、行き届いた厚化粧。それで無くても慄いつく程の美しさ。