Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しけんといきなわ
死剣と生縄
江見 水蔭
Lesen Sie 死剣と生縄 (しけんといきなわ) von 江見 水蔭 (えみすいいん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.104 Zeichen · 31 Bildschirme
教える為にはお鉄が捕縄を捌いて、竜次郎を縛りもした。又お鉄が竜次郎に縛られもした。
「縄抜けの法は泥棒ばかりでは有りません。御武家でも覚えて置いて好いと思います。敵に俘虜に成った時に、役に立ちますからね」
肥満したお鉄の豊かな肉に喰入る本縄の緊縛も、身を悶えさせて、肩に風を切り、下腹に波を打たせている間に、見事に抜けて自由の体に成るので有った。竜次郎は真底から驚嘆せずにはいられなかった。
斯うしている間に竜次郎は、始終無形の縄に縛られて、緊く繋がれたような気持がして、一歩も外へ踏み出せぬので有った。又お鉄が殆ど附切りで、近き大杉明神へも参詣させぬ。お鉄が無拠外出する時には、乾漢をして見張らせるので有った。
其代り痒い処へ手の届かずという事なく、有らゆる優待はするので有った。
「生縄一家の用心棒、磯貝先生は、話に今も遺っている笹川繁蔵の処の平手酒造よりも豪い方だ」
持上げられるだけ持上げられても、其実入牢させられたも同様で有った。
「斯うしていては、秋岡先生に相済まぬ」
竜次郎は全部魂が腐敗し切ってもいなかった。良心の呵責に耐え切れず、漸く見出した隙間を見て、お鉄の家の裏庭から、崕を雑草に縋りながら、谷地の稲田の畦路にと降りた。