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Japanische Klassiker mit Furigana

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ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lesen Sie 死者の書 (ししゃのしょ) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.340 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、そんなことは、郎女の心には、間題でもなかった。

おわかりなさるかえ。これこう――。

姫の心は、こだまの如く聡くなって居た。此才伎の経緯は、すぐ呑み込まれた。

織ってごろうじませ。

姫が、高機に代って入ると、尼は機陰に身を倚せて立つ。

はた はた ゆら ゆら。

音までが、変って澄み上った。

女鳥の わがおおきみの織す機。誰が為ねろかも――、御存じ及びでおざりましょうのう。昔、こう、機殿のからのぞきこうで、問われたお方様がおざりましたっけ。

――その時、その貴い女性がの、

たか行くや隼別の御被服料――そうお答えなされたとのう。

この中申し上げた滋賀津彦は、やはり隼別でもおざりました。天若日子でもおざりました。天の日に矢を射かける――。併し、極みなく美しいお人でおざりましたがよ。截りはたり、ちょうちょう。それ――、早く織らねば、やがて、岩牀の凍る冷い冬がまいりますがよ――。

郎女は、ふっと覚めた。あぐね果てて、機の上にとろとろとした間の夢だったのである。だが、梭をとり直して見ると、

はた はた ゆら ゆら。ゆら はたた。

美しい織物が、筬の目から迸る。

はた はた ゆら ゆら。