Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lesen Sie 死者の書 (ししゃのしょ) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.340 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

あの多聞天と、広目天との顔つきに、思い当るものがないか、と言うのであった。此はここだけの咄だよ、と言って話したのが、次第に広まって、家持の耳までも聞えて来た。なるほど、憤怒の相もすさまじいにはすさまじいが、あれがどうも、当今大倭一だと言われる男たちの顔、そのままだと言うのである。貴人は言わぬ、こう言う種類の噂は、えて供をして見て来た道々の博士たちと謂った、心蔑しいものの、言いそうな事である。

多聞天は、大師藤原恵美中卿だ。あの柔和な、五十を越してもまだ、三十代の美しさを失わぬあの方が、近頃おこりっぽくなって、よく下官や、仕え人を叱るようになった。あの円満し人が、どうしてこんな顔つきになるだろう、と思われる表情をすることがある。其面もちそっくりだ、と尤らしい言い分なのである。

そう言えば、あの方が壮盛りに、棒術を嗜んで、今にも事あれかしと謂った顔で、立派な甲をつけて、のっしのっしと長い物を杖いて歩かれたお姿が、あれを見ていて、ちらつくようだなど、と相槌をうつ者も出て来た。

其では、広目天の方はと言うと、

さあ、其がの――。

と誰に言わせても、ちょっと言い渋るように、困った顔をして見せる。