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Japanische Klassiker mit Furigana

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ししゃのしょ

死者の書

折口 信夫

Lesen Sie 死者の書 (ししゃのしょ) von 折口 信夫 (おりくちしのぶ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 62.340 Zeichen · 126 Bildschirme

Aozora Bunko

藤原の氏姫じゃからの。枚岡の斎き姫にあがる宿世を持って生れた者ゆえ、人間の男は、弾く、弾く、弾きとばす。近よるまいぞよ。ははははは。

大師は、笑いをぴたりと止めて、家持の顔を見ながら、きまじめな表情になった。

じゃがどうも――。聴き及んでのことと思うが、家出の前まで、阿弥陀経の千部写経をして居たと言うし、楽毅論から、兄の殿の書いた元興寺縁起も、其前に手習いしたらしいし、まだまだ孝経などは、これぽっちの頃に習うた、と言うし、なかなかの女博士での。楚辞や、小説にうき身をやつす身や、お身は近よれぬわのう。霜月・師走の垣毀雪女じゃもの。――どうして、其だけの女子が、神隠しなどに逢おうかい。

第一、場処が、あの当麻で見つかったと言いますからの――。

併し其は、藤原に全く縁のない処でもない。天二上は、中臣寿詞にもあるし……。斎き姫もいや、人の妻と呼ばれるのもいや――で、尼になる気を起したのでないか、と考えると、もう不安で不安でのう。のどかな気持ちばかりでも居られぬて――。

押勝の眉は集って来て、皺一つよせぬ美しい、この老いの見えぬ貴人の顔も、思いなし、ひずんで見えた。