Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぬまふじん

沼夫人

泉 鏡花

Lesen Sie 沼夫人 (ぬまふじん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.541 Zeichen · 78 Bildschirme

Aozora Bunko

)

と呼ぶと、急に、わやわやと四五人小児の声がして、向うの梅の樹の蔭で、片手に棒千切を持って健坊が顔を出した。田圃へお出で、と云うと、

(厭だべい。)

で突掛るように刎附ける、同じ腕白夥間に大勢馴染が出来たから、新仕込のだんべいか何かで、色も真黒になった。母様がまたこれを大層喜んでいたもんです。

(じゃ遊んでるかい。母様は運動に行って来るよ。)

(うん、)

と云うと、わっと吶喊を上げて、垣根の陰へ隠れたが、直ぐにむらむらと出て、鶏小屋の前で、健ちゃんは素飛ぶ。

(お庇様で、この頃の悪い陽気にも障らなくなりましたよ。)

と嬉しそうに見えて、

(どちらへ?)と聞く。

(踏切の方へ行って見ましょう。水が出たそうですから。)

百姓家二三軒でもう畷だが、あすこは一方畑だから、じとじと濡れてるばかり。片方に田はあっても線路へ掛けて路が高い。ために別に水らしい様子も見えん。踏切を越して土手を畦伝いに海岸の方へ下りると、なぞえに低くなるから、そこへ行けばちょろちょろ見えよう――もっとも汎水と云うほどの事はどの道ないのだから、畷を帰る百姓も、私たちのぶらぶら歩行を通越す大八車の連中も、水とも、川とも言うものはなく、がったり通る。